ザガーロの副作用まとめ【勃起不全からガンまで】

どうも、若ハゲ番長です。

今回はAGA治療薬ザガーロの副作用についてです。

 

ザガーロの薬効成分であるデュタステリドはフィナステリドよりもDHT(ジヒドロテストステロン)を強く抑制します。

効果が強いということは、副作用も強そうですが・・・

実際はどうなのか?

 

臨床試験で報告された副作用のデータから徹底検証していきます。

ぜひ、参考にしてみてください∠( ゚д゚)/

ザガーロ副作用イメージ

ザガーロのメリット・効果についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

ザガーロの効果まとめ【プロペシアの1.5倍は嘘!?】

 

臨床試験で報告された副作用

ザガーロの臨床試験では、総症例557例(日本人120例を含む)中95例(17.1%)に副作用が報告されています。

内訳は以下の表です。

プラセボ デュタステリド0.1mg デュタステリド0.5mg フィナステリド1mg
全副作用発生率 15% 21% 16% 20%
勃起不全 4% 4% 5% 6%
射精不能 1% 1% 1%未満 2%
射精障害 1%未満 2% 1% 1%
精液減少 0 2% 1% 0
性欲減退 1% 5% 2% 4%
胃腸障害(腹痛など) 4% 3% 2% 2%
感染症等 0 0 2% 1%未満

※プラセボとは薬効成分の入っていない偽の薬です

いろいろ報告されていますが、特に頻度が高い(発症率が高い)のが

[deco_bg image=”marker-p” width=””]性欲減退
勃起不全
射精障害[/deco_bg]

など性機能に関する問題です。

ザガーロはプロペシアと同じく、5αリダクターゼを阻害し、DHTを抑制する薬なので副作用もよく似ています。

 

プラセボにも同レベルの副作用が!

プラセボは薬剤が入っていないので、本来なら副作用などは起こらないはずです。

しかし、臨床試験では自分が飲んでいる薬がプラセボか本物なのか、被験者は分かりません。

なので、プラセボを飲んでいたとしても「自分が飲んでいる薬は本物で副作用が出るかも((((;゚Д゚))))」と考えてしまう可能性があります。

 

そういう時に思い込みだけで、本当に症状が出てしまうケースがあるのです。

これがプラシーボ効果と呼ばれるものです。

(プラセボについてはこちらの記事で詳しく解説しています⇒二重盲検試験とプラセボ

 

で、

全副作用発生率を見るとデュタステリドだけでなく、プラセボでもほぼ同様の発生率となっています。

(プラセボの発症率は若干低く見えるかもしれませんが、誤差の範囲内です)

ここからザガーロの副作用は

プラシーボ効果の影響がかなり強そう

だということがわかります。

 

副作用はフィナステリドよりも高頻度?

デュタステリドはフィナステリドよりもDHT抑制効果が高く、発毛効果も強いので、なんとなく副作用も重そう・・・と思っている方が多いかもしれません。

僕もなんとなくそういうイメージをしていたんですが、この結果を見る限り

フィナステリドと副作用の発生頻度に大きな差はなさそう

だといえます。

デュタステリド0.1mgで21%、0.5mgで16%に対し、フィナステリドも20%ありますので、デュタステリドの方が副作用が多いとは言えないでしょう。

 

しかし、

プロペシア(フィナステリド)の副作用に関しては以前のデータでは3,4%の発生率だったじゃない?

と思う方もいるかもしれません。

(プロペシアの副作用についてはこちらで詳しく解説しています⇒プロペシアの副作用まとめ

 

これは調査方法の違いが影響しているかもしれません。

副作用に関するインタビューの仕方や、どこまで細かく副作用を調査するかで発症率は変わってくるので。

(これは逆に考えるとプロペシアも調査方法によっては、20%程度副作用が起こりうるということでもあるんですが・・・・)

また、一般的に考えられているように「デュタステリドの方が効果が強い」という情報から被験者の多くが「デュタステリドの方が副作用も強いに違いない」と考えたために、プラシーボ効果が強く出た可能性もあります。

 

重篤な肝機能障害と黄疸

これはザガーロに限らず、ほとんどの薬は肝臓で代謝されるため、肝臓に負担をかけます。

そのためもともと肝機能が低下している人の場合、薬を飲んだ際に重篤な肝機能障害が生じる場合があります。

そして、肝機能に障害が出ると血中のビリルビン濃度が上昇するため、黄疸などの症状が出ることもあります。

(肝機能に問題のない人の場合、こういった問題が起こることはまずありません)

 

デュタステリドは体内での半減期が長いので、もしかすると肝臓にかかる負担も大きい薬かもしれません。

(半減期が長いということは肝臓がなかなか代謝できないということなので)

もともと健康診断などで肝機能の低下を指摘されている人は、決して自己判断で服用しないように気をつけてください。

必ずお医者さん(できるだけAGA専門の医師)に相談しましょう。

 

非常にまれな副作用

上の表以外の症状でごく僅かに報告されているのが

[deco_bg image=”marker-p” width=””]精巣痛
精液変色
早漏
性機能障害
乳房肥大
性欲消失
不安
抑うつ
うつ病
神経過敏
頭痛[/deco_bg]

などです。

これらの副作用は発症率が非常に低いので、デュタステリドとの因果関係は不明です。

たまたま起こっただけという可能性も十分ありえます。

 

精子への影響は?⇒精子が減少!

多くの人が気になるのが、精子への影響だと思います。

海外で行われた臨床試験ですが、精子への影響を調査したものがあります。

[deco_bg image=”marker-p” width=””]被験者は18~52歳の健康な成人
デュタステリドグループとプラセボグループに分け
52週間デュタステリドを投与後、投与前との精子の状態を比較[/deco_bg]

結果は以下の表です。

52週(約1年)服用後
総精子数 -23%
精液量 -26%
精子運動率 -18%

見ての通り、すべての数値が悪化しています。

この数値はプラセボ群との差を考慮した上でのものです。

つまり、プラシーボ効果ではなく純粋にデュタステリドの副作用として精子に出た影響だと言えます。

また

[deco_bg image=”marker-p” width=””]

服用中止後24週間(約半年)経過してから総精子数を調べたが、-23%と減少したままだった。
デュタステリドグループの2人に、投与前値から90%を超える精子数の減少が認められたが、追跡24週目には軽快した

[/deco_bg]

と報告されています。

 

この結果を見ると、ザガーロは精子にかなりマイナスに作用しているみたいですが・・・

この程度の変動は正常の範囲内だそうです。

(30%以上減少があると、一般に問題だと判断される)

なので、デュタステリドは精子に重大な影響は与えないと、この研究では結論しています。

 

ただし、数字を見る限り精子の状態はやや悪くなっているので、ザガーロは精子に関しては、大きな影響はないといえ、ややマイナスに作用しそうです。

このデータはあくまで被験者の”平均”なので、全員の精子に悪影響がでたというわけではありませんが、妊活中の方などは気をつけたほうが良いかもしれません。

 

デュタステリドで男性が乳がんに?⇒因果関係不明

デュタステリドは前立腺肥大の治療薬として使用されているのですが、前立腺肥大の治療において、デュタステリドを投与された患者に男性乳がんの発生が報告されています(4325人中3人)。

ただし、

[deco_bg image=”marker-p” width=””]デュタステリドグループ2人
プラセボグループ1人[/deco_bg]

とプラセボ群でも男性乳がんが発生しています。

発症例も非常に少ないことも合わせて考えると、デュタステリドが原因で男性乳がんになっているかどうかはわかりません

偶然の可能性も高いです。

デュタステリドとの因果関係は不明ですが、こういった症例が報告されているということです。

 

前立腺がんになりやすくなる?⇒事実!

また、前立腺がんの発症率とデュタステリドの関係も調査されています。

[deco_bg image=”marker-p” width=””]白人を主体とした50~75歳の男性8231人の被験者
4年間の投与[/deco_bg]

で、前立腺がんの発症率が

[deco_bg image=”marker-p” width=””]プラセボ:0.5%
デュタステリド:1%[/deco_bg]

となり、

前立腺がんの発生率がプラセボグループに比べ、デュタステリドグループの方が有意に高かった

という結果が出ています。

(数字は小さいのですが、この研究の場合、被験者の数が非常に多いので誤差ではありません)

細かい作用機序などはわかりませんが、デュタステリドは前立腺肥大には効果があるものの、前立腺がんのリスクは高めてしまうという結果になっています。

 

まとめ+個人的見解

ザガーロの副作用についてまとめると

[deco_bg image=”marker-p” width=””]主に男性機能関連の副作用が15~20%程度見られる
プラシーボ効果の影響はかなり強そう
プロペシア(フィナステリド)と大きな差はない[/deco_bg]

という感じです。

 

ただ、

男性乳がんに関しては偶然の可能性も高いので、そんな気にする必要はないと思うのですが、

[deco_bg image=”marker-p” width=””]精子状態の悪化
前立腺がんの発症率の上昇[/deco_bg]

に関してはプラシーボ効果ではなく、デュタステリドの影響があると考えられます。

 

副作用についてはザガーロの添付文書にも記載されていますので、気になる方は確認してみてください。

ザガーロ添付文書

 

ザガーロを使用する場合、このあたりの副作用のリスクと発毛効果を天秤にかけて考えなければなりません。

というか、個人的にはデュタステリドの発毛効果はフィナステリドと比べてそんなに変わらないので、

あえてデュタステリドを使うメリットは特にない

と思います。

基本的にはフィナステリドで十分です。

デュタステリドを検討する価値があるのは、最強セットを使っても効果に満足できない人に限られると思います。

 

ザガーロの効果についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ一緒に読んでみてください。

実は言われているほど大した効果じゃないんじゃない?ってことを、これまたデータから検証しています。

ザガーロの効果まとめ【プロペシアの1.5倍は嘘!?】