毛髪再生医療の最先端~細胞培養からiPS細胞まで~

どうも、若ハゲ番長です。

この前、NHKのサイエンスZEROという番組で「毛髪再生」について取り上げられていました(゚д゚)!

まぁ、僕はネットで発見して、あとから見たわけですが(笑)

 

毛髪再生といっても、皆さんご存知のミノキシジルやフィナステリドを使う方法ではなく、

ガチで細胞レベルで髪を培養して増やしてやろう、

なんなら、何もないところから毛根を創りだしてやろう!

っていう話です。

 

しかも、番組によるとそれが実用化されそうなところまで来てるっぽいです。

何、何、その夢のある話、ってことで、画面にかじりついて番組を見てました(笑)

で、今回はその内容をみなさんにシェアしようというわけです。

薄毛に悩む我々にとっては、なかなかに夢のある話なので、ぜひ参考にしてみてください。

 

毛球部毛根鞘細胞を培養して髪を増やす!

まず、番組で最初に取り上げられていたのがこの方法。

毛球部毛根鞘細胞を取り出して培養し、薄くなった部分に移植するという方法です。

まぁ、これだけ聞くと一体何じゃそりゃ?って感じなのでもう少し詳しく説明します(^_^;)

 

髪の根っこは毛球部毛根鞘細胞

今までは

毛乳頭細胞が指令を出して毛母細胞を活性化する

と考えられていました。

※毛母細胞=髪の元になる細胞)

あのよくCMしている育毛剤でも毛乳頭を活性化して、うんぬんかんぬんって言ってますよね?

 

しかし、

最近、実は、毛乳頭細胞の更に下にある毛球部毛根鞘細胞という細胞が、毛乳頭細胞に活性化の指令を出していることがわかってきました。

ええ、名前が長すぎて覚えにくいですが(笑)

毛球部毛根鞘細胞です。

 

つまり、活性化の順番として実は

毛球部毛根鞘細胞⇒毛乳頭細胞⇒毛母細胞

という順番で活性化されていく、ってことです。

 

男性型脱毛症の場合は、毛乳頭細胞が毛母細胞に分裂の指令を出さなくなってしまうんですが、もしかすると、毛乳頭細部が指令を出さなくなてしまう原因は毛球部毛根鞘細胞の活性が低下することにあるのかもしれません。

(番組ではここまで踏み込んでませんでしたが)

 

そして、この毛球部毛根鞘細胞を使った最新の治療法が現在研究中なのです(゚д゚)!

 

毛球部毛根鞘細胞を培養して毛を増やす方法

研究を行っているのは大手化粧品メーカーの資生堂の研究チーム。

で、その方法というのが・・・

[deco_bg image=”marker-p” width=””]

後頭部から髪の毛を皮膚ごと採取

採取した皮膚から毛球部毛根鞘細胞を切り取る

特殊な方法で毛球部毛根鞘細胞を培養する

培養した細胞を薄毛の部分に注入する

注入された毛球部毛根鞘細胞は自ら毛乳頭細胞の下へと移動する

毛球部毛根鞘細胞が毛乳頭細胞を刺激して発毛が促進される

(そして、後頭部から採取した細胞にはアンドロゲンレセプターがないので、一度生えてしまえば、再び男性型脱毛症になることはない)

[/deco_bg]

という方法です。

 

この方法って、別に後頭部の毛根から採取した毛乳頭細胞を培養して移植してもいいじゃん、って思う方もいるまもしれません。

まぁ、僕もそう思ったんですが。

しかし、これは調べてみると、毛乳頭細胞を培養するのが、現在の技術では非常に難しくて現実的ではないそうです。

(培養自体は可能だが、なぜか髪を生やす能力が失われるらしい)

 

それで培養が可能な毛球部毛根鞘細胞を使う方法が取られているみたいです。

毛球部毛根鞘細胞についても、「特殊な技術」を使って培養していて、その培養方法については企業秘密らしいです(;´∀`)

 

AGAは近い将来なくなる?

一般的な男性型脱毛症の場合、ほとんどこれで解決してしまうのではないか?と僕は感じています。

しかも、一度治療してしまえば、それで死ぬまで薬を飲んだりする必要もないわけです。

もう育毛剤を売っている会社は潰れるしかないんじゃないかと(笑)

(その点、Deeperは「再生医療で毛髪の再生が可能になるまでのつなぎだ」と自分でも言っているところが潔いなぁ、と感じます)

 

この毛球部毛根鞘細胞を培養して移植する治療法、2018年の実用化を目指して研究が今進んでいるらしいです。

2018年ってことはつまり、あと3年くらい。

もう、そう遠くない将来に、薄毛で悩む人はいなくなるかもしれない、ってことですね。

 

ただ、おそらくなんですが・・・この治療法、かなり高額な治療になりそうな気がします。

特に、出始めは。

 

番組で紹介されていた方法では、まず採取した毛包から人が顕微鏡で確認しながら、毛球部毛根鞘細胞を人の手で切り出しています。

まぁ、映像を見てもらえばわかると思うんですが、超絶細かい作業をしています(;´∀`)

これを患者一人一人に対してやるわけなんで、相当な手間がかかるだろうなと。

多分、相当な技術がないと不可能な作業に見えます。

加えて、細胞の培養もこれまた手間がかかるんですよね。

 

そのあたりのことを考えると、かなり高額な治療費がかかることは容易に想像できます。

勝手な想像ですが、安くても100万円以上、おそらく数百万円くらいになるんじゃないでしょうか。

うーん、もしかすると、もっと高いかも。

 

植毛と同じで、一度やってしまえばあとは半永久的にハゲることがない、ということを考えると、それくらいの治療費がかかってもコスパはいいのかもしれません。

(毎月毎月、クリニックに通ったり、育毛剤を購入したりする費用と手間をを考えれば)

 

植毛との決定的な違い

あと、この方法、植毛とは決定的に違う部分があります。

それが細胞を培養している点です。

 

植毛の場合は、採取した毛を1本1本、そのまま移植するだけなので、髪の総本数は増えません。

濃いところから薄いところに髪を持っていくだけです。

それに対して、この治療法では細胞を培養するので、必要以上に毛を採取する必要がありません。

培養した細胞で、活動が弱まっていた毛根を復活させるわけなので、髪の総数自体が増えます。

 

この点が、植毛とは決定的に違うポイントですね。

この治療法が実用化されれば、待ちに待った夢の治療法って感じです。

あと3年くらい、ってことですが、早く実用化して欲しいところです。

 

上皮系細胞+間葉系細胞で新たな毛根を作る

今度は最初に出てきた手法とは違って、何もないところから髪の毛(毛包)を作ってしまおう、って話です。

上のは今ある(けど活動していない)毛包を活性化させようって話なので、そもそも毛包自体が残ってない人には適用できません

例えば、ケガ、やけど、抗がん剤の副作用などで毛包がそもそもなくなってしまった人などですね。

まあ、男性型脱毛症であれば、上の方法で治療できてしまうので、僕らにはあまり関係のない方法、かもしれませんが(^_^;)

 

ただ、こっちの方法は完全にゼロの状態から髪の毛を作り出すって話なので、科学マニア的にはかなりのロマンを感じます(笑)

 

二種類の細胞の出会いで毛包が生まれる

髪(毛包)は系統が違う二種類の細胞からできています。

分類としては

毛母細胞⇒上皮系細胞

毛乳頭細部⇒間葉系細胞

となります。

で、胎児の時にこの上皮系細胞と間葉系細胞が出会うことで、毛包が出てきていることがわかってきました。

じゃあ、上皮系幹細胞と間葉系幹細胞をくっつければ、髪が作り出せるんじゃないか??ってことで研究が行われているわけです。

 

幹細胞とは何か?

具体的な研究の中身に行く前に幹細胞というのが何なのか知らない人も多いと思うので説明しておきます。

簡単に言うと、この幹細胞とは他の様々な細胞になる能力を持った細胞のことです。

細胞の素みたいなものだと思ってもらえばいいかもしれません。

 

ちなみにみなさんご存知のiPS細胞とは人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells )の略です。

つまり、iPS細胞も幹細胞の一種で、幹細胞は体の様々な組織になることができるので、いろんな病気の治療に使えそうだぞ、と期待されているわけです。

 

で、

幹細胞にも幾つか種類があって、その中でも上皮系幹細胞と間葉系幹細胞を組み合わせるとちょうどいい具合に髪ができるぜ、っていうのが今回のお話です。

 

実際に毛を作り出すことに成功してはいるが・・・

結論から行くと、この方法でマウスでは毛包を作り出すことに成功しています。

番組でもヌードマウス(毛のないマウス)の背中のあたりから黒い毛が生えている映像が出てました。

 

しかし、問題点もありまして・・・

上皮系幹細胞の培養方法がまだ確立されていません。

というか、これが解決しないと現実問題として治療には使えないです(´・ω・`)

 

つまり、採取した細胞を増やすことができないので、現状だと上皮系幹細胞は必要な数だけ体から採取しないといけないことになってしまいます。

これだと大量の細胞を採取しないといけなくなるので、現実的には患者の治療に応用することは不可能です。

 

この問題が解決しないと、実用化は難しそう、なんでこの方法が実用化されるのはまだまだ先になりそうな感じです。

 

iPS細胞から毛を作る

上の「上皮系幹細胞+間葉系幹細胞」で毛包を作る方法ですが、この方法にiPS細胞を組み合わせて毛包を作ってやろう、という研究も現在進んでいるみたいです。

つまり、上皮系幹細胞をiPS細胞から誘導して作って、あとは同じ方法で毛包にしてやろうというわけです。

 

こんな感じで、毛髪再生に関してはいろんな方面から研究が進んでいます。

さしあたっては、先に紹介した毛球部毛根鞘細胞を培養する方法でAGAについては解決しそうな感じです。

実際に僕らが治療を受けれるようになるのにあとどれくらいかかるのか、ってところと、一体いくらかかるのか、ってところが気になりますが(^_^;)

 

で、

この番組はNHKオンデマンドで見れます。

そう、そして僕は何を隠そうNHKオンデマンドの月額会員になっています(笑)

NHKは民法に比べると科学番組が充実しているので、科学マニアにはたまらないのです(*´∀`*)

 

月額会員にならなくても単品でで100円くらいで見れるので、よかったらどうぞ。

YouTubeなどにも動画があがってたみたいですが、削除されたっぽいです(;´∀`)

サイエンスZERO「細胞技術が毛髪再生を変える」

 

ではでは。