フラーレン分子

どうも若ハゲ番長です。

今回はフラーレンの育毛効果についてです。

 

フラーレンというと聞き慣れない言葉かもしれませんが、ノーベル化学賞を受賞した成分で、最近は化粧品などに配合されるようになってきている注目の成分です。

育毛剤に配合されているケースはまだまだ少ないようですが、実は臨床試験でも育毛に効果ありであることがわかっていて今後配合する育毛剤が増えてくるのではないかと個人的には思っています。

 

ということで、フラーレンの育毛効果について見つけることのできたデータからまとめてみました。

ぜひ、参考にしてみてください。

 

フラーレンとは?

まず、フラーレンとはなんぞや?ってことなんですが、炭素のみからできたサッカーボール状の分子になります。

こんな形をしています。

フラーレン分子

ちなみにこのフラーレンはむかーーしから、理論的に存在するだろうと考えられていたんですが、なかなか誰も発見することができず、幻の分子なんて言われていました。

しかし、1985年、ハロルド・クロトー、リチャード・スモーリー、ロバート・カールの3人が合成に成功し、その存在が証明されます。

そして、彼らは1996年にフラーレン発見の功績でノーベル化学賞を受賞しました。

 

以前は1gで数十万円するような超高価な成分だったのですが、最近は効率的な製造方法が確立されたようで、以前に比べるとかなり安くなりました。

まぁ、安くなったと言っても未だに1gで3万円くらいするんですが(^_^;)

 

フラーレンの特徴

フラーレンは応用の幅は非常に広くて、高温超伝導体素材としても使われてたりするんですが、化粧品に関して言うと、広い共役系によるラジカル安定化能力が何よりの特徴と言えるでしょう。

・・・。

・・・・・。

・・・・・・・・・・。

え?何言ってるのかわからないって?

すいません、つい化学マニアの癖で、話が小難しい方向に(;´∀`)

 

簡単に言ってしまうと、

フラーレンは抗酸化能力が非常に高い

ということです。

測定値によるとその抗酸化能力はビタミンCの172倍にもなります。

 

人間の体内にはつねに活性酸素(ラジカル)が発生していて、これが老化の原因になっています。

この活性酸素を除去してくれるのがこのフラーレンなどの抗酸化物質なんですね。

フラーレンには老化を防いでくれる抗酸化作用がある、しかも効果がめちゃくちゃ高いということで、化粧品などに積極的に配合されるようになってきたわけです。

 

また、これはフラーレンの科学的な特徴というわけではないんですが、ノーベル賞を受賞した成分ということで、各国の有名な科学者がこぞって研究を行うようになったので、効果についてのエビデンス(科学的根拠)が豊富にあるのも特徴といえるでしょう。

 

臨床試験にて確認済みの効果

以下はちゃんと臨床試験で効果が科学的に確認されているものになります。

[deco_bg image=”marker-p” width=””]

保湿効果(バリア機能回復効果)
美白効果
抗シワ効果
ニキビの改善効果(抗炎症作用)
毛髪成長促進効果
頭皮清浄維持効果
毛髪保護効果

[/deco_bg]

上の方の抗シワ効果とか美白効果は、まぁ、あまり育毛とは関係ないんですが(;´∀`)

後半の「毛髪成長促進効果」「頭皮清浄維持効果」「毛髪保護効果」などはもろに育毛に関連する部分ですよね。

 

育毛効果に関する論文データ

フラーレンの育毛効果に関して論文を一つ見つけたので紹介しておきます。

フレグランスジャーナルの「毛髪のエイジングケア特集」に載ってたやつです。

 

で、論文の著者の中にはあの板見智氏の名前もあったのでびっくりしました(゚д゚)!

このブログでも何度か引用している『専門医が語る毛髪科学最前線 』の著者の方です。

少し前の本なんですが、毛髪再生について基本的なことは網羅されているので、参考になると思います。

興味ある方はぜひ読んでみてください。

 

ちょっと脱線しました。

気を取り直して、その論文で確認されたフラーレンの育毛効果について見ていきましょう。

 

実験手順

ざっくり実験手順をまとめると[deco_bg image=”marker-p” width=””]

被験者は成人男性16人(30代~50代)

右の側頭部にフラーレン入のトニック、左の側頭部にフラーレンなしのトニック(プラセボ)を1日2回塗ってもらう

12週間後と24週間後にフラーレンありの部位となしの部位を比較評価する

[/deco_bg]という感じです。

 

結論

実験の結果はどうなったのかというと・・・

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12週後ではフラーレンありとなしで有意差はなかった

24週後ではフラーレンありの方が16%毛髪成長率が高かった

[/deco_bg]

つまり、24週後で比べるとフラーレンありの方が髪の伸びるスピードが上がっていたということです。

 

しかし、24週後も

毛密度・毛径・成長期毛率には有意差なし

という結果も。

つまり髪が新たに生えてきたり、髪が太くなったりという変化はなかったということです。

 

3つ目の毛成長期率というのはどれだけ成長期の髪が増えたを示す値です。

AGAの場合、成長期の髪が減るので、この値が改善されていればAGAの治療にも期待が持てるということになるんですが、残念ながらそこまでの効果はなかったようです(´・ω・`)

(その点、キャピキシルの場合は明らかに成長期毛率に改善が見られるので、効果としてはかなり強力だと言えます)

 

フラーレンの育毛効果についてざっくりまとめると

劇的な効果があるわけではないが、髪の成長を早める程度の育毛効果がある

という感じでしょうか。

 

フラーレンの安全性・副作用

化粧品に広く配合されるようになっているので、もし何か副作用があるのであればすでに問題になっているはずです

そうでないということは特に副作用はないということでしょう。

 

上で紹介した臨床試験でも「特に副作用はなく安全性を確認できた」と報告されています。

なので、フラーレンの安全性に関しては問題ないと思います。

 

なぜフラーレンに育毛効果が?

なんでフラーレンに育毛効果があるのさ?って話なんですが、

フラーレンの抗酸化作用によって、頭皮が酸化ストレスから保護されより健康になったため、髪の成長が促進された

と考えられます。

 

頭皮がストレスフリーで健康であることは、薄毛を克服するにあたってはすべての基本になります。

まぁ、荒れた土壌に種を撒いても芽は出ないですからね(^_^;)

 

それを考えるとフラーレンは頭皮を健康に保つことによって、他の成分が効果を発揮しやすくなる土壌を作るのではないか、と個人的には感じました。

つまりは他の成分と併用して真価が発揮されるタイプの成分なんではないかと。

 

フラーレンについて現状で手に入った情報はこんな感じですね。

また新たに情報が入れば追記していこうと思います。

ではでは。