なぜ成長因子は発毛に必須なのか?+効果的に増やす3つの方法

どうも、若ハゲ番長です。

今回は、最近、育毛や毛髪再生医療の分野でキーワードになりつつある、成長因子について解説してまいります。

成長因子は、

[deco_bg image=”marker-p” width=””]効果が科学的に検証されているものが多い
もともと生体内に存在する物質なので、安全性が高い
効果が高すぎるため医薬品指定されている成分もある[/deco_bg]

などの理由から、かなり注目している育毛成分です。

いや、成長因子に関しては、発毛成分と言った方が良いでしょう。

 

成長因子とは?

成長因子は

[deco_bg image=”marker-p” width=””]増殖因子
グロースファクター(GF)[/deco_bg]

などとも呼ばれます。

(このブログでは基本的に成長因子と呼んでいます)

 

で、成長因子とは一言で言ってしまうと、

細胞に成長を促すような指令を伝える細胞間シグナル

のことです。

 

人間の体内の細胞は、細胞同士でいろんなコミュニケーションを取っています。

細胞同士が情報をやり取りすることで、うまく連携して”人間の体”という1つのまとまりになっているわけです。

 

細胞間の情報をやり取りするための物質が細胞間シグナルと呼ばれるものです。

「Aという物質を受け取ったら、積極的に分裂しなさい」とか

「Bという物質を受け取ったら、細胞の増殖を止めなさい」とか

そういう感じで、分子ごとに受け取った場合の細胞の対応が決まっているのです。

 

その細胞間シグナルの中で、細胞を成長(増殖)させるようなシグナルのことを成長因子と呼ぶわけですね。

体は「お前ら、もうちょっと元気に分裂して成長したらいいんちゃう?」というときに成長因子を分泌して、狙った組織を成長させています。

例えば、怪我をした時などは、傷を直すために、怪我した部位の周辺で活発に成長因子が分泌されるようになります。

 

成長因子は加齢と共に減少・・・(´・ω・`)

もともとは人間の体が分泌している物質ではあるんですが、加齢や健康状態の悪化などの要因にによって成長因子は減っていきます。

AGA治療が若い人ほど効果が出やすいのは、若い人ほど成長因子がもともと多いからです。

また、歳を取ると傷の治りが遅くなりますが、これも成長因子の分泌量が減ってしまうからです。

 

成長因子が減ると、細胞の新陳代謝が衰え、いわゆる老化と呼ばれる現象が起こります。

番長
肌にハリが無くなり、シワが増え、白髪が増え、髪は抜けやすくなっていくわけですね

 

育毛・発毛に関連している成長因子一覧

髪の毛は毛母細胞が分裂・増殖することによって作られます。

なので、当然、髪の成長にとっても成長因子は非常に重要な役割を果たしています。

まずは育毛・発毛に関連していると言われる成長因子を簡単にまとめておきます。

 

VEGF(=血管内皮増殖因子)

VEGF

[colored_bg color=”light‐green” corner=”r”]血管新生に深く関わる成長因子。新たに毛細血管を形成したり、血管を強化するようなシグナルを担う。特に育毛においては、血管を増強し、毛母細胞への栄養供給を善することで、効果を発揮していると考えられる。(一方で、直接的に毛母細胞へ成長シグナルとして作用しているとする説もある)[/colored_bg]

IGF(=インスリン様成長因子)

IGF

[colored_bg color=”light‐green” corner=”r”]知覚神経への刺激や、ストレスなどに応答して分泌される成長因子。毛母細胞に働きかけヘアサイクルを改善する(成長期を延長し、退行期、休止期を短縮)。髪だけでなく、全身のさまざまな組織に作用しアンチエイジング作用を示す。[/colored_bg]

KGF(=角質細胞増殖因子、FGF-7)

FGF7構造式

[colored_bg color=”light‐green” corner=”r”]別名「発毛促進因子」と呼ばれるほど、発毛に深く関わっている。レセプターが皮膚の比較的浅い位置に発現するため、塗るだけでも効果が期待できる。実際に発毛効果に関する臨床試験も行われており、効果が確認されている。[/colored_bg]

EGF(=上皮成長因子)

EGF

[colored_bg color=”light‐green” corner=”r”]皮膚の再生に深く関わる成長因子。皮膚の血流を増加させ、血管を強化し、コラーゲンの生成を促進する。新生細胞の成長を平均で284%促進することが確認されている。傷の回復促進のために医療用としても用いられる。[/colored_bg]

HGF(肝細胞成長因子)

HGF

[colored_bg color=”light‐green” corner=”r”]最初に肝臓の再生に深く関わっていることが発見されたので、肝細胞成長因子と呼ばれているが、毛母細胞への成長シグナルも担っていると考えられている。[/colored_bg]

TGF-β(トランスフォーミング成長因子)

TGF-β

[colored_bg color=”light‐green” corner=”r”]成長因子と名前がついているが、多くの細胞で成長を止める方向に作用する。毛乳頭細胞のアンドロゲンレセプターにDHTが結合すると、このTGF-βが分泌され、毛母細胞の分裂を抑制する。脱毛因子と呼んでも良いかもしれない。[/colored_bg]

 

 

ミノキシジルも結局は成長因子を分泌させているだけ?

ちなみに、医薬品であるミノキシジルも結局は

体内でVEGFやKGFと呼ばれる成長因子の分泌量を増やす

ことで発毛につながっているっぽいことが、最近明らかになってきました。

 

直接、毛母細胞に対して成長(増殖)を促すことができるのは、成長因子。

結局、育毛成分も育毛グッズも、成長因子の分泌を促すためにある。

発毛のメカニズムを最も根源的なレベルで制御している

のが成長因子なのです。

 

育毛剤に配合するにあたっての致命的な問題点

成長因子すげー!

成長因子を配合した育毛剤作れば最強じゃん!!!

と、思いますよね!?

僕も思いました。

しかし、これらの成長因子を育毛剤に配合しようとすると、とてつもなく大きな問題が出てくるのです。

 

1.高い!!!

成分自体がくっっっっっそ高いです。

KGFの場合、お値段は10μgで39,000円になります(1μg=0.000001g)

そして、他の成長因子もご多分に漏れず、お高いです。

こういった成分を配合してしまうと、育毛剤自体が高額になってしまうという問題がまず一つ。

 

2.失活する

生体分子である成長因子につきまとう問題がこの失活です。

多くの成長因子、特に分子構造が複雑なものは製造されてしばらく経ってしまうと、構造が壊れてしまい、効果を発揮できなくなります。

つまり、置いておくだけで効果がなくなってしまうのです。

 

早いものだと製造から数週間で失活してしまいます。

値段が高いのはまだ良いとしても、こちらの問題は致命的です。

だって、効かなくなっちゃうわけなので(^_^;)

 

VEGF配合やKGF配合を謳っている育毛剤もネット上ではたまにみかけますが、それらの商品が本当に効くかどうかは、かなり怪しいです。

番長
在庫として倉庫に眠っていたものだったりしたら、成長因子が失活してしまっている可能性が高いでしょう。

 

成長因子によくある誤解シリーズ

成長因子に関してよくある質問をまとめておきます。

このあたり、誤解している人が多いので気をつけてください。

 

濃ければ濃いほど効果が高い?

ミノキシジルのような合成分子の場合、基本的に濃ければ濃いほど効果が高くなるのですが、生体分子である成長因子はそうとも限りません。

生体分子には活性が最大化される至適濃度というものがあります。

つまり、薄すぎても効かないけど、濃すぎても効かない、ということです。

 

これは生体分子の不思議で、一定の範囲の濃度でしか十分な生理活性が発揮されないのです。

海で釣って来た魚を活けておこうとすると、適切な濃度の塩水が必要ですよね。

塩水が薄すぎても、逆に濃すぎても魚は死んでしまいます。

生き物とはそういうものです。

 

成長因子にも、ある値をピークにして、それ以降、濃くすれば濃くするほど効果が低下することが確認されているものもあります。

薄すぎても、濃すぎてもダメなのです。

 

そういう理由で、成長因子系の成分は、基本的には実験で効果が確かめられている濃度で配合されている方が良いと僕は考えています。

 

飲む成長因子が最強!?

「ミノキシジルは塗るよりも、飲んだほうが効く。

それなら、成長因子を口から飲めば最強の育毛効果が得られるのでは?」

という質問は結構来るんですが・・・

残念ながら、成長因子は口から飲んでも全く効果は得られません

 

なぜかというと、成長因子はたんぱく質だからです。

たんぱく質なので、消化吸収される際に、バラバラにされて構造が失われ、成長因子としての効果は完全になくなります。

そういうわけで、成長因子は飲んでも効果はありません。

番長
たんぱく質なので、栄養にはなりますが・・・

 

成長因子の効果を発揮させるには、

[deco_bg image=”marker-p” width=””]塗るか
注入するか[/deco_bg]

のどちらかになります。

 

成長因子注入療法(メソセラピー)は効果なし!?

塗るのが育毛剤で、注入にあたるのが、この成長因子注入療法(メソセラピー)です。

毛髪再生医療を謳っているクリニックでよく行われている治療法ですね。

これは成長因子を注射やエレクトロポレーション法によって、頭皮に直接注入する方法です。

上で解説してきたように、成長因子自体に強い発毛効果があるので、この治療法も効果はあります。

 

しかし・・・

個人的にはあまりオススメしていません。

治療費が超高額であることを考えると、割に合わないからです。

HARG(ハーグ)療法とか、1クール6ヶ月で120万しますからね(^_^;)

他のところでも、注射一発数万円は当たり前です。

番長
あと、「一度治療すれば頭皮環境が改善されるので止めてもハゲない」と謳っているところもありますが、僕が聞いた話だとほぼ例外なく「止めるとハゲる」そうです

 

最強セット(AGA治療薬)だけでも十分生えることを考えると、成長因子注入療法はコスパが悪すぎます。

最強セットをフルで使って、そこに成長因子系の育毛剤を上乗せしてみて、それでもダメだった人の最終手段くらいの感じだと思います。

あるいは、内服薬は副作用が怖いので、絶対に嫌だと言う人が、最初からメソセラピーにいくケースもあるみたいですが、対費用効果は悪いのでお金に余裕が無いと難しいかもしれません。

※どうしてもメソセラピーを受けたいという人は、銀クリが一番安く提供しています

 

成長因子を分泌させる3つの方法

せっかく成長因子についてお話したので、自ら成長因子を分泌させる方法をちょっとだけ紹介しておきます。

上で解説したとおり、成長因子はもともと人間の体が作っている物質なので、育毛剤で補給しなくても、自分で生産することができます。

主な方法は3つ。

 

睡眠

適切な睡眠をとることで、様々な成長因子が分泌されることが知られています。

睡眠中はこういった成長因子で、体を成長させたり、疲弊した器官のメンテナンスを行っているわけです。

 

ストレス

一般的にストレスは健康に悪いものだと考えられがちですが、一概に悪いものだとも言えません。

なぜなら、人間の体はストレスを受けると成長因子を分泌するようになっているからです。

(信じられないかもしれませんが、本当に科学的に確認されています)

なので、これからはストレスを感じた時は「成長因子キタァァアアア!!!」と思いましょう。

 

運動

運動によっても、成長因子は分泌されます。

有酸素運動で心肺系が鍛えられるのも、筋トレで筋肉が大きくなるのも、各種成長因子のおかげです。

 

まとめ

成長因子がいかに育毛・発毛に関して重要な役割を担っているか分かってもらえたでしょうか?

確かに育毛剤に配合できれば最強だと思うんですが、現在は失活の問題を乗り越えられていません

 

メソセラピーなどで成長因子を導入する方法もありますが、治療費が高額すぎて現状では割に合わないです。

生活面を見直して、成長因子の分泌を促進するような生活をするのが、一番安上がりかもしれませんね(笑)

 

 

最後に。

成長因子の働きについては、まだ完全に解明されてい部分もかなりあります。

分かってないことの方が多いかもしれません。

例えば、VEGFは血管を新たに作ることによって発毛に貢献していると考えられていましたが、最近では毛母細胞に直接働きかけて分裂を活発にしているのではないか、という説もでてきました。

また、FGFなどは体の場所にって全然違う働きをしたりするので、なかなか全容は分かっていません。

 

これから新たに発毛に関与している成長因子も発見されると思います。

今後の研究の進展が待たれるところです。