どうも、若ハゲ番長です。
先日からフィンジアを復活させましたが、
「フィンジアって化粧品でしょ?効果あるの?」
という質問も結構来ました。
確かにその通り、フィンジアは分類上は化粧品です。
ということで、化粧品・医薬部外品・医薬品の分類と違いについてしっかり解説してまいります。
まぁ、結論を先に言ってしまうと、
この分類ってそこまで意味ないんじゃないの?
と僕は考えています(;´∀`)
ぜひ、参考にしてみてください。
化粧品・医薬部外品・医薬品の違い
育毛関連の商品を法律の規制で分類すると、
医薬品
医薬部外品
化粧品(サプリの場合は健康食品)
の3つに大きく分けられます。
医薬品が一番効果が高くて、その次が医薬部外品で、一番効かないのが化粧品とか健康食品でしょ?
と思う方も多いかもしれません。
一応、建前上はそういうことになっています。
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医薬品
- 効果副作用に関する厳密な臨床試験のデータが必要
- 医薬品的な効果を謳っても良い
- 「発毛」「生える」などの効果を謳ってよい
- プロペシア、リアップなど
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医薬部外品
- 効果副作用に関する簡単なエビデンスが必要
- 医薬品的な効果を謳ってはいけない
- 「育毛」を謳うのはOKだけど「発毛」はNG
- チャップアップなど
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化粧品(健康食品)
- 特にエビデンスは必要ない
- 効果効能を謳うことは出来ない
- 「育毛」も「発毛」も謳えない
- フィンジア、ボストンスカルプエッセンスなど
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いわゆる”育毛剤”は医薬部外品にあたります。
ちなみにキャピキシルを配合すると、問答無用で医薬部外品の指定を受けられなくなるので、キャピキシル配合の育毛剤は育毛剤と名乗ることができません。
正式な名称は頭皮用化粧水とか、スカルプエッセンスです。
(おそらく混乱する人もいると思うので、このブログでは化粧品であっても、育毛剤と呼んでいることもあります)
医薬品じゃないと効かない?
僕も以前は、このブログを始めた当初は、確かに医薬品以外は全部気休めだと思っていました。
しかし現在はスタンスが変わりました。
現在は、
医薬品だろうが、
医薬部外品だろうが、
化粧品だろうが、
エビデンスをベースに判断することにしています。
いや、スタンスが変わったというより、時代が変わったと言った方が適切かもしれません。
僕がブログを開始した直後は、そもそも医薬品以外にエビデンスを調べられる、育毛グッズがなかったのです。
だから、エビデンスを出さない育毛剤なんてゴミだ、と僕も考えていたわけですが・・・
しかし、現在は医薬品ではない、化粧品成分であってもエビデンスが出ているものもあります。
以前は臨床試験で効果が実証されているのは医薬品の
- ミノキシジル
- フィナステリド
しかなかったんですが、
途中で低出力レーザーの
- ヘアマックス
が加わり
数年前から成長因子系の成分
- キャピキシル
- リデンシル
- プロキャピル
などが出てきています。
これらの成分(機器)はすべて臨床試験で効果が確認されています。
4,5年まえの、何の科学的根拠も示されていない、効くも八卦、効かぬも八卦の育毛剤とは根本的に信頼性が異なるのです。
加えて、自分で使ってみた結果、意外と医薬品じゃなくても効果あるじゃない、という体験があったのも大きいです。
成長因子系の成分は確かに体感としても効果が強いです。
「化粧品だから効くわけがない」と切り捨てるのはもったいないんじゃないか、と。
特に成長因子系の成分はエビデンスがはっきりと出ているものが多くて、これは利用者にとっては非常に良い傾向ことだ考えています。
4,5年前は(医薬品以外の)育毛剤なんて、宣伝文句と口コミくらいしか効果を推測する手段がなかったわけなので。
最終的にはほとんど勘で選ぶしかなかったわけです(^_^;)
それが、現在は一定以上、科学的根拠のあるデータで、育毛剤を比較することができる。
これは、劇的な進歩だと思います。
医薬品、医薬部外品、化粧品は効果を適切に分類できているのか?
一応、効果で比べると
医薬品>医薬部外品>化粧品(健康食品)
の順になるように、分類することになっているわけですが・・・
100%正確に分類されているのかというと、全然そんなことはありません。
まずキャピキシルに関しては臨床データがあるにも関わらず、配合すると問答無用で化粧品になる、という謎の事態になっています。
逆に医薬部外品に認定されている育毛剤は特に臨床データは公開されていません。
これだったら、「キャピキシル配合してるスカルプエッセンスの方が、医薬部外品の育毛剤よりも信頼できる」と思ってしまうのは僕だけではないはずです。
化粧品がある日突然、医薬品に!?
こんな事件もありました。
当時は化粧品成分に分類されていたある成長因子が、「効果が高すぎる」と言う理由で医薬品成分に指定された、という事件です。
医薬品成分に指定されてしまうと、普通は化粧品には配合できなくなります。
その成分を配合した商品は基本的に医薬品扱いになるので、簡単には製造も販売もできないのです。
もしこれまで配合していた成分が突然、配合できないとなるとメーカーとしては、大いに困ります。
それでメーカーが厚生労働省に猛抗議したりと、いろんな騒動があったんですが・・・
しかし、結局、その成長因子はもとから化粧品に配合されていて、安全性が確認されていたこともあり、
「効果効能を謳わなかったら、今まで通り化粧品に配合していいよ」
ということになりました。
(きっと、政治的なアレコレとか、業界団体の働きかけとかいろいろあったんだと思います)
つまり、現在、
成分としては医薬品なのに、その成分を配合しても、
効果を明示しなければ、化粧品として売ってOK
という謎の事態になっているのです。
特に、成長因子系の成分は一般に効果が高く、成分によっては医薬品指定されていいて、化粧品としては使用不可なものも、結構あります。
一方で医薬品成分でありながら、配合しても”効果さえ謳わなければ”化粧品として販売できるものもあります。
成長因子系の成分は近年、開発の進展が著しく、次々と新しい成分が見つかったり、開発されたりしているので、厚生労働省も評価や指定が追いついていないというのが現状ではないだろうかと思われます。
現行法の問題点:どれを選んでいいのかわかんない!
現行の法律では化粧品や健康食品は、効果効能を表示することが禁止されています。
なので、どの健康食品も頑張って法に触れないギリギリの表現で、効果がありそうな雰囲気を出すことに必死になってるわけです(^_^;)
それで、僕ら消費者としては「なんなんだろう、この微妙な表現は・・・」みたいなことになるわけです。
現在の法律の最大の問題点はここで、一律に効果効能を表示することが禁止されているために、本当に効果のあるものも、全然効果のないものも、同じ表現しかできないという事態になってしまいます。
下手をすると、
科学的根拠もなく、実際、全然効かないのに、いかにも効果がありそうな雰囲気を出している化粧品が存在する
一方で、
科学的根拠があって実際に効くことが分かっていても、効果を明示できない化粧品もある
なんてことになってしまいます。
(と言うか、実際、こういう事態になっています)
消費者としては、当然、効果のないものより、効果のあるものを選びたいんだけど、これだと謳い文句を見ても、効果の違いは全然わかりません。
科学的根拠があろうが、なかろうが結局効果を明示することは出来ないので、買う方としては結局、なんだか曖昧な謳い文句を元に判断することしかできないんです(´・ω・`)
一部、効果効能の表示がOKに!機能性表示食品
さすがに、「これって消費者にとってマイナスじゃね?」というのを厚生労働省も感づいていて、例えば健康食品なんかは、エビデンスのあるものについては機能性(効果効能)を表示してよいという事になりました。
いわゆる機能性表示食品というやつです。
「疲れ目に効く」と表示して売られてるサプリがありますが、ああいうやつです。
パッケージには「臨床試験済み」と表示されています。
育毛剤の分野でも、こんな感じでエビデンスを元に効果を表示できるようになれば、もっと選びやすくなるのになぁ、と個人的には期待しています。
まとめ
医薬品、医薬部外品、化粧品(健康食品)の分類について、今回は解説してきました。
効果に関しては、一応、「医薬品>医薬部外品>化粧品(健康食品)」の順番にになるように分類しようとしてはいるものの、必ずしもこの順番にはなっていない、というのは上で解説してきた通りです。
特に、医薬部外品の育毛剤に関していうと、完全に成長因子配合のスカルプエッセンスと効果が逆転しているように感じます。
そういうわけで、もうちょっと消費者にも分かりやすい効果の表示ができる世の中になってくれれば、いいなぁ、と個人的には思っています。
いつも更新楽しみに見させていただいてます。
今回の記事は興味があって、コメントさせて頂きました。
以前、番長さんはノコギリヤシについて、自然成分だから特許が取れず、育毛効果の検証をお金をかけてやる意味がないのではないか、しかし検証があまりされてないだけで効果はあるのではないかという趣旨のことを書かれていたと思います。
その時、なるほどなぁと思ったのですが、逆にキャピシキルであれば、大々的に実験を行なって(小規模の検証はされてるんでしたかね)、ミノキシジルの効果を上回る実験結果を出して、ミノキシジルが席巻するこの市場を奪いとってしまえば良いのにと思うのですが。
むしろ、その方が絶対売れるとおもうんですよね。
どうしてやらないんでしょうか。
これについて、番長さんはどう思われますか。
横から失礼します。
キャピキシルは確かに効果は高そうですが、ミノキシジルを上回るほどの結果になる保証が高いと言えないからではないでしょうか。ミノキシジルの場合は、副作用として服用者に多毛が見られたのでそこを利用することになったため、初めから効果を期待できるものとして検証したのではと予想しています。
逆にキャピキシルは、効果がまだ未知数であるため、企業もリスクを避けて大々的な検証をしたがらないかもしれません。
それはまずないです。
なぜなら、大規模な臨床試験をしたところで(そして、それで効果が確かなものになったとしても)現行の法律では化粧品は効果効能を謳うことはできないので(^_^;)
メーカーはやるだけ損です。
なので、まずやらないでしょう。
じゃあ、いっその事、効果効能が謳える医薬品にしてしまう、というのも現実にはほぼ不可能です。
(記事中で紹介した成長因子のように、効果が高すぎるために強制的に医薬品指定成分にされてしまう可能性はゼロではありませんが)
理由は、医薬品の許認可を得るのは、めちゃくちゃ面倒くさい上に、莫大な費用がかかるからです。
まず医薬品として臨床試験をして、認可を受けるのに巨額の資金が必要です(一般的な医薬品だと数十億円)。
加えて、承認がおりるのに下手すると10年かかります。
そして、キャピキシルが医薬品指定成分になり、キャピキシル配合の育毛剤が医薬品になってしまうと、とても面倒なことになります。
キャピキシルを製造する工場が医薬品原料を製造する工場として許認可を得なければならなくなります。
またキャピキシルを配合した育毛剤を製造する工場も、医薬品の製造所として認可を受けないといけません。
この許認可は化粧品の認可とは比べ物にならないくらい厳しいです。
加えて、医薬品になってしまうと、通販や量販店では気軽に売れません。
基本的に医師の処方箋をもらって、薬局で買うことになります。
OTC薬になったとしても、最低限薬剤師がいないと販売できません。
今、ミノキシジル配合の育毛剤がネットで簡単に買えてしまうのは、個人輸入代行というある意味で裏技を使っているからです。
国内で製造された医薬品となってしまうと、おいそれと通販では売れません。
つまりメーカーはまったく別の販売ルートを開拓しないといけないことになってしまいます。
こういう理由で、化粧品作ってたメーカーが医薬品を作るというのは、ありえないくらいハードルが高いです。
大規模に臨床試験やったところで効果効能は謳えないし、
医薬品の指定を受けるのは現実的にほぼ不可能。
で、結局、現行の法律を変えないとどうしようもないよね、という結論に落ち着くわけです(^_^;)